so_king’s diary

高円寺北のポップアップ カレーShop!「かりい食堂」ブログです

試作 思索

いよいよ! かりい食堂 3月11日(日)11:30〜です

↓最近の試作。右がカーリーチキンカリー、左が牡蠣のマサラ。なかなかです?

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3月11日(日)は「かりい食堂@高円寺 ツバメおこわ」です。覚えてらっしゃいますでしょうか?

 

間借り営業とはいえカリーをお出しするのはステージ上での本番。だとすると、試作は舞台裏の稽古。当然、稽古を重ねれば上手くなる。と物事は、そんなに簡単じゃない。回数を重ねてカリー作りの工程を身に沁みこませるという身体訓練ではないですね。では何かというと、僕の場合は試作とはその料理が持つ美味しさのゾーンを確定するという作業になります。理想は、試作段階で一皿の味わいの究極の集中点がバシッと決まればいいのですが…これはかなり至難の技。

 

それよりは、感覚として自分の料理として提供できる「美味いの範囲 / ゾーン」を見極める作業になります。このゾーンを決めていくことが、一つひとつの料理を試作していくていく上で僕が大切にしていること。試作段階で隙間なくばっちり味を決めてしまうというより、ほんの少しだけ味の揺らぎというかゆとりを持している。その方が、試作としては相応しいように思うんです。具体的には、シンプルなマサラに仕上がってこれはこれで美味いけど、仕上げにバターを加えることで、ほんわかとした存在感のある風味を本番では加えようとかそういう感じ。ライブ前のリハですね。で、リハで全てを仕上げまくってしまうと本番は案外こけたりします。たぶん。僕の経験的に。

 

また、僕のようないつもはサラリーマン、たまにカレー屋さんという半端なスタイルの場合、プロの方と比べて圧倒的に絶望するくらい料理で手を動かす時間にハンデがある。当たり前ですね。向こうはプロフェッショナルだもの。でも、と思う。ものすごく理想論をこれから書きますが、それを言い訳にしてプロよりも圧倒的に美味しくない料理を提供してはいけないと思うのです。願わくば、拮抗したい。とはいえ、練習量ではプロには絶対に勝てない。どうするのか?差別化の方法は間借りカレーの店主それぞれだとは思いますが、僕が心がけているのは思索です。別に、「インターネット常時接続という超情報化社会における生きづらさのメタ物語的アプローチ」とかそういう哲学的・社会学的な思索ではありませんよ。簡単に言えばイメージトレーニング。

 

まずは、全体としてどんな料理を一皿に仕上げてどんな味わい(世界観というと大げさ?)を実現したいのか。そのためには、それぞれの料理ごとがどんな役割を果たしたほうがよいのか。では、個別の料理の味わいについてどのように作っていけば全体の味わいを構成できるのか。という流れでブレイクダウンしていく感じですね。なんか、業務プロジェクトの進め方みたいですね。この書きぶり、つくづくサラリーマンなんだな、俺。

 

また、「単に美味しければよし!」という潔さが本当に一番だとは思うのですが…あれこれ考えちゃうんですよ、私。インドの連綿と続くスパイス料理の伝統と独自の混沌とした宗教観や世界観、社会や暮らしのあり方。そこで培われてきたオーセンティックで骨太なインド料理。方や、大陸の島国 日本。特に最近は大阪で勃興し隆盛を極めているいわゆる大阪カレーの存在、気がつけば都内を中心に間借りスタイルが群雄割拠(?)している状況。そんな情報環境を頭でふむふむと意識しながら、では、かりい食堂としてどんなカリーにするのか?ということを考えてしまうのですよ。そう、めんどくさいヤツなんですね。

 

言い訳をすれば試作&思索を重ねることで、物理的に手を動かせる時間というハンデを少しでも乗り越えられたらいいなあと思っているわけです。というわけで、今月から再開するかりい食堂。復帰第1回目は今週11日(日曜日)11:30〜売り切れまで、です。試作&試作の成果は果たして美味くいくのでしょうか⁈ ぜひ、お越し下さいませ!